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爪ケアと認知症

毎月1回 志保さん、かおりん、私の三人はとある病院に爪切り&フットケアに行っています。
そこで、デイケアにいらしている高齢者の方の爪切りをさせていただいているのですが

先日、スタッフの方と一緒にいらしたKさん。
「バックの中身がなかっ!!」とちょっと怒ったご様子。
この方、認知症を患っており、財布がなくなったとおっしゃるんです。
スタッフの方が、「財布は持ってきてないですよ。」と優しく言っても、どんどん怒りは募る感じ困
そう言えば、以前担当させていただいた時も、
「あそこに置いとったバックのなか(無い)っ!! いつも誰か持っていくもん!!」とご立腹でした。
そのまま、爪切りをするベッドにお座りいただいたんですが、今度は

「爪切りは自分でするけんよか~」  「足ば触ってもらうとは気の毒っかもん」と爪切りを拒否
どうしようかとカルテを見ると、先月も拒否されたらしく足のマッサージのみでした。
そこで、Kさんの隣に座り背中をさすりながら、私の目を見て話をして下さるようになるまで世間話。
“バッグの中身がない”という訴えには、“後で一緒に探しましょう”と提案。
前回のカルテを見ながら、「数か月爪を切ってないから伸びてるでしょう。よかったら見せて下さい。」
なんて、話をしながらKさんに靴と靴下をご自分で脱いでもらいました。
その間かおりんにKさんの隣に来てもらい、私は前に移動。
足を触ると、“まだ爪は切らない。” “触られるのが怖い” をおっしゃるので、しばらく冷たくなった足の指のマッサージをしながら、昔話。
お仕事の話にふれると、今でもお米を作っているのよ♪と穏やかな表情になり、ご自分のことを話し始められたので、
『今だ!!!!』と思い、爪切りを持ち 親指の爪を パチン☆
ちょっとビックリされたけど、「爪の伸んどるもんなあ~」 「爪ば切ってもろて気の毒っか」 「お礼はなんばしようかぁ?」など・・・
志保さんの「お礼は、Kさんの作ったお米でおにぎり作ってきて下さい。」と機転の聞いた話術でどんどん会話が弾みます音符

15分前とは全く違う対応。
この方の場合は、自分が何をせれているのか分からないことが不安を募っているようでしたので、ベッドに座ったまま、爪切りを行いました。(通常は寝ていただきリラックスしてもらうのですが)

爪切りが終わると、ご自分の足を見て「爪の短こなって、気持んよか~」「自分で爪切っとは大変だんなぁ」 「汚か足ば触ってもろてありがとね~」と感謝されました。

ここで、実感したのは認知症の方に対しては、決して無理強いをしないこと。
相手の話に耳を傾け、否定せず受け入れる事。
徐々に表情や声が穏やかになってきたら、こちらの要望を伝える事。
肌と肌の触れ合いは、相手に自分の気持ちが伝わると、受け入れてもらえること。 です。

毎日、毎時間一緒にいる家族が時間をかけて対応するのは、正直大変。

爪切り一つにしても、さっさと終わらせてしまいたいとお思いでしょうが、暴れたり、暴言を吐かれろと嫌気がさしてくるでしょう。
そんな時は、私達を頼っていただけたらな・・・と思います。
たかが爪切り、されど爪切り ですにこ
ご家族やお知り合いで困っていいる方がいらっしゃれば、是非ご相談くださいませはーと

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